元科捜研の研究員・古賀慶さんの原作漫画「トレース 科捜研法医研究員の追想」が、相沢友子さんの脚本で「トレース―科捜研の男―」というタイトルに変更しテレビドラマ化されます。
ドラマを見る動機付けに脚本家を上げる視聴者も多くなってきています。
というわけで、「トレース科―捜研の男―」の脚本を担当する相沢友子さんについて、プロフィールや過去に関わった作品などご紹介していきたいと思います。
相沢友子のプロフィール
・生年月日:1971年5月10日
・出身地:東京都
・血液型:B型
・活動期間:1991年~(歌手デビュー)、2000年~(脚本家デビュー)
相沢友子さんの経歴は脚本家としては異色です。
1991年歌手としてデビューし6枚のシングルと4枚のアルバムを発表しています。
歌手兼女優として活動を続けていましたが、1999年に第15回太宰治賞の最終候補作に「COVER」がノミネートされたことがきっかけで、歌手兼女優業は休業状態になりました。
2000年、脚本家としてデビューし、本格的に脚本家としての活動を開始しました。
過去作品は?ヒット作はある?
・映画「大停電の夜に」(2005年):「カリュアード」名義で源孝志と共作
ちょっと過去の作品になりますが、2018年日本各地で大規模停電が起きました。
リアルで停電を体験すると、映画「大停電の夜に」のような、ロマンティックな事態にはならないとわかったうえで、「いつもの日常でない感覚」は人に影響するものだなという点で改めて見たくなる方もいるのではないでしょうか。
映画公開当時とまた違った見え方になる作品だと思います。
クリスマス・イブの夜、東京が大規模停電に見舞われて、停電になったことで人々の気持ちが交錯していく群像劇としてストーリー展開していきます。
手術を翌日に控え自殺を考えていたモデルの少女は、病院で停電に見舞われ、天体マニアの少年と真っ暗な夜を遊びまわります。
不倫関係を辞めたいと言われた女性は、エレベーターの中で停電にあい、同乗していた中国人のホテルマンを相手に語り始めます。
刑務所から出所したばかりの男が、元彼女を見かけ追いかけました。元彼女は妊娠していて、産気づいてしまいます。
病院に向かうため地下鉄の乗ったところで、停電が発生してしまいます。
停電した夜に、12人の男女に起こった恋愛物語が展開していくストーリーです。
私も2018年、大規模停電を経験しました。
停電を体験したうえで映画を観ると、けっこうツッコミたくなるところはあります。
でも、北海道のブラックアウトでは、多くの人が夜空を見上げ、たくさんの星が光るのを眺めたという話があります、映画で夜空の下の暗闇で遊ぶ少年と少女の気持ちはわかる気がします。
一瞬で電気がない空間に放り出された人々の行動は、日常とは違ってきますよね。
異世界の放り出されたような感覚。
日常でない状態だからこそ、始まる人との交流は確かに存在します。
現実の停電で始まる人との交流は、映画のようなロマンティックなものではないですけれど…
・ドラマ「人は見た目が100パーセント」(2017年)
同名の大久保ヒロミさん著の原作漫画のテレビドラマ化作品。
おしゃれや流行に全く疎い理系女子3人が、「美」をテーマに研究して、自分磨きと恋に一生懸命になる姿をコミカルに描く作品です。
とはいえ。
見た目はさえない真面目な理系女子研究員・城之内 純を演じるのが桐谷美玲さんという時点で、「原料素材の品質が高すぎる」と突っ込みをいれた視聴者は数知れず。
リケジョの3人はそれぞれ、個々の現状分析から入る必要あったと思うのですが、そこをすっ飛ばしているのは登場する3人全員が、芸能人で素材の質が元から高いからですよね。ちょっとずるいと私もつぶやきたいですw
個人的な事情は置いておきましょう(^^;。
ドラマの展開は、素材の磨き方のアプローチになっていきます。
正しい処理を行えば狙った品質(見た目)に到達し、相性の良い素材とのマッチングで素敵な製品になります(恋愛成就)ので、ドラマは品質を向上する方法と素敵な素材と出会い製品化する方法について学ぶことになります(リケジョ的な発想では、この手順のようですよね)w
アプローチで試行錯誤が続き、相性の良い素材と適格な設計で製品化をトライ&エラーする日々です。
何事も研究し、実験してみなきゃ物事は動かないのです。
城之内純は、己を磨き、製品化するための相性の良い素材を見つけました。
しかし、相性の良い素材は、他の素材とも相性が良い八方美人タイプの素材でした。
互いに唯一無二である素材どうしでありたいと願った城之内純は、八方美人タイプの素材と別れることを決断しました。
そして、リケジョの研究員3人は、更なる高品質を目指し、今日も研鑽する日々を送っています。
リケジョが「美」を研究して恋をするというのを、リケジョ的に説明すると以上のようになります。
面倒ですね(笑)。
相沢友子さんは、SF要素がある物やコミカルなストーリー、ロマンティックな群像劇など広いジャンルで脚本を手掛けている印象があります。
原作のある作品のドラマ化も手掛けていますので、2018年1月放送開始の「トレース科―捜研の男―」でも、原作のイメージを尊重しながら、重い内容にコミカルな要素も絡めて、作品全体にリズム感を出してきてくれるのではないかと期待しています。
トレースのあらすじは?
出向先から科学捜査研究所に戻ってきた真野礼二は、事件の証拠を見つける執念を人一倍持っていました。
科学的な揺るがぬ根拠で真実を突き止めたいという情熱でひたすら、物証の分析を行うのは理由がありました。
真野礼二は小学生の時、家族を全員殺害されて失った過去があったのです。
家族の殺害の第一発見者になってしまった礼二に追い打ちをかけたのは、礼二の兄が両親と姉を殺害後自殺したという捜査の結論で事件に幕が引かれたからでした。
礼二は、本能的に犯人は別にいると感じていたのです。
しかし、証拠がなければ、終わった事件を再捜査することなどできません。
反論に足る証拠だけが、事件を真実に導くという信念で、礼二は科捜研の研究員になったのです。
日々、警察から依頼される鑑定を徹底的に行いながら、礼二は個人で家族を殺害された事件について調べていました。
しかし、事件の核心に近づくにつれ警察の闇が礼二にヒタヒタと纏わりついて、礼二は壁に突き当たります。
礼二は、真犯人までたどり着くことができるのでしょうか?
まとめ
原作漫画は、科捜研のリアリティある描写が高く評価されている作品ですので、ドラマ化にあたって、原作の評価を脚本にいかに落とし込むことができるのかが注目点の一つになってくるでしょう。
脚本を担当する相沢友子さんの手腕に期待がかかります。
重い内容のストーリーですので、息抜きになるような描写も取り入れた展開になるといいですよね。