何が正しいのか、何が間違っているのか?
それは、時代によって変遷する価値観によって変化する流動的なものです。
働き続けることを美徳としない価値観の扉を開こうとしているー今はそんな時代なのではないでしょうか?
正しい働き方の基準は人それぞれ、としか言いようがない混沌とした状態です。
ほんの2~30年前、終身雇用を前提とした働き方は会社=人生でした。
それを間違っているとは誰も思わなかったし、美徳だと信じる人の方が多かったのは事実です。
でも時代はどんどん変化します。
今の時代、残業をやらない人間は会社にはいらない!と口に出して言う人はいないでしょう。
でも心の中では?
世論の変化にあえて真っ向から反論しなくても、多くの人が定時で帰ることに躊躇しているのが現実です。
仕事の引き継ぎで時間をオーバーして
「すみません、時間なので帰ります」
では仕事に支障が出る体制なのが現実の社会です。
仕事のやり方が定時で終わるような仕組みになっていないのに、定時に仕事を切り上げるのは無理な話です。
それが今の会社の状態なのだ、ということです。
朱野帰子さんの小説「わたし、定時で帰ります」の主人公・東山結衣はWEB制作会社で働いています。
勤務時間に仕事をきっちり終わらせ、残業しないで定時で帰ることをモットーにしています。
会社の中で結衣の行動は異質です。
定時で帰ることは自分の前提である、と強い気持ちを持たなければならないのが定時に帰ることができないーそれが現実なのです。
残業するのが当たり前な職場の風潮の中で、結衣は自分のモットーを貫いています。
仕事をきちんとこなす結衣を、会社も認めていて結衣を評価していました。
ところが、転職してやってきた福永清次が結衣の上司になったことで状況は変わっていきます。
福永は「お客様の要望をきいてあげて」という態度で、仕事を次から次へと部下に割り振ります。
結衣も含めて、職場全体がオーバーワーク状態で悲鳴を上げ始めます。
それでも福永は「悪いけど頼む」と言って更に仕事を上積みするのです。
ドラマ「わたし定時で帰ります」の結末がどうなるのか、原作小説のネタバレをご紹介しながら予想していきたいと思います。
ネタバレ含む内容になりますのでご了承くださいね
わたし定時で帰ります最終回の結末は?
福永が上司となって大変な目にあう結衣のお仲間をご紹介します。
皆勤賞が自慢で体調が悪くても出勤する女性
結衣の元恋人で、結衣より仕事が大事なワーカーホリック
仕事が遅く、いつまでも仕事を続けているうちに会社に住み着いている男性
出産で育休をとっていたのに切り上げて早々に職場復帰する先輩女性
職場の中では珍しく定時で帰りたい派の新人社員。「辞めたい」が口癖
実際の職場にいそうな方々です。
結衣はこのようなクセの強い方がたの中で、定時に帰ることを貫いていました。
仕事中毒だった父親を見て育ったからです。
しかも元婚約者もワーカーホリックでした。
結衣は、新しい恋人と結婚準備を始めます。
ところが、結衣も見る目がないのです。
痛い目にあったゆえ、元婚約者と真逆の趣味人間と結婚しようとするのです。
ところが、現恋人はあまりにも浮世離れしすぎていて結衣は、私生活では恋人に翻弄されています。
そこにやってきた最凶の上司が福永清次。
お客様の要望を安請け合いして仕事を増やし、全て部下に丸投げするのです。
物腰が低く、人あたりがよい福永のお願いの仕方は、断りづらいー結果、結衣たちの仕事は増えまくり、さらに、仕事は赤字案件と化していきます。
結衣は残業を回避するために様々な策を講じますが、小手先でなんとかなる仕事量ではなく、結衣も残業の嵐に巻き込まれていきます。
そして、驚くことに福永は、ゆとり社員の新人ですら、残業を断れないところに追い詰めていったのです。
福永の下、疲弊する社員たち。
結衣が定時で帰りたい理由があるように、定時で帰りたくない人々にも理由があるのが徐々に判明していきます。
結衣は、「人が働くということはどういうことか?」「人は誰のために生きているのか?」と考え始めます。
福永のやり方を続行すれば、同僚全員が共倒れになると感じた結衣は、社長に直訴して職場の混乱を収束します。
1週間の残業20時間までという折衷???案で、職場は落ち着きを取り戻しました。
結衣にとっては、定時で帰れなくなって納得いっているのかな?という疑問はありますが。
ちなみに、職場のドタバタに巻き込まれながら、私生活では、現婚約者の裏切りにあい、結衣は結婚をやめました。
かといって、ワーカホリックの元婚約者とよりを戻すのも嫌な結衣です。
現実は勧善懲悪の世界ではありません。
結衣は今日も出勤していきます。
ドラマの結末を予想
原作の結末には賛否両論あります。
結衣の結婚は破談になりましたが、同僚で元恋人とよりを戻すこともなく、お話は終わってしまいました。
福永にかき乱された職場は、社長の介入で混乱は収束しましたが、職場の人々の想いを取り入れた折衷案は、一週間の残業20時間までというもので、定時で帰りたかった結衣には、ある意味改悪ともとれます。
ドラマ化に際して、原作小説のスッキリとはいえないラストを変えてくる可能性も大きいと思います。
主役・東山結衣を演じる吉高由里子さんがコメントで
見終わった後には心が少し軽くなって明日が前向きになれるような作品になっていくと思います。ぜひ楽しみに待っていてください。
とおっしゃっていますので、ストーリーにスッキリ感が出る展開に変わるのかもしれません。
わたし定時で帰りますあらすじキャスト
あらすじ
仕事中毒だった父親とワーカホリックな元婚約者を見て、結衣は定時で帰ることをモットーにすることを誓って働いています。
その職場には、ワーカホリックなままの元婚約者もいて、仕事しまくっていました。
定時で帰らない人が多い職場ですが、それぞれのペースで会社と生き方のバランスをとっていました。
ところが、転職してきた上司・福永清次が全てのバランスをぶち壊しました。
どんなに頑張っても終わらない量の仕事を躊躇せずに、部下に割り振るのです。
定時で帰ることにこだわっていた結衣も、同僚たちのオーバーワークを助けるために残業の渦に巻き込まれていきます。
キャスト
・東山結衣役:吉高由里子
定時で帰ることをモットーにする主人公
・種田晃太郎役:向田理
結衣の元婚約者。ワーカホリック
・吾妻徹役:柄本時生
仕事が遅いため、会社に住み着いている状態の社員
・来栖泰斗役:泉澤祐希
定時が帰りたい新入社員。「会社辞めたい」が口癖。結衣が教育係
・三谷佳菜子役:シシド・カフカ
会社を絶対休まないのが自慢の皆勤賞社員
・賤ヶ岳八重役:内田有紀
出産後、早々に職場復帰する結衣の先輩
・福永清次役:ユースケ・サンタマリア
転職でやってきた最凶の上司。部長。転職前も晃太郎の上司だった
"]
まとめ
朱野帰子さん著の同名小説のドラマ化「わたし、定時で帰ります」。
原作のネタバレをご紹介して、ドラマの展開を予想してきました。
原作を読んだ方は、スッキリしない方と、爽快感を感じた方に分かれる読後感です。
主人公の恋愛話が壊れてしまうためと、結衣の職場の混乱を落ち着かせる方法に賛否ありためでしょう。
原作に対する多様な感想、捉え方があることを鑑みながら、ドラマ化の落としどころを探っていく形になると思います。
原作より「スッキリ感」多めの展開が予想されます。
現実の仕事から帰宅した視聴者が、疲れ増し増しになるすぎないバランスで、テンポよくストーリー展開していくのではないでしょうか?