ご主人と執事物のストーリーは、完璧な執事が多いのですが、2019年5月公開の映画「うちの執事の言うことには」は、新米主人と、初心者執事の相性最悪コンビが、上流階級で起きるミステリーの謎解きをするストーリーです。
探偵役は第27代目当主を押し付けられた新米主人の烏丸花穎です。
彼には人が見えない物が見える能力があります。
といっても「霊」ではなくて可視できる波長が広いということです。
測定器でない人間が他の人には見えない物が見える世界にいれば、見えないことを前提に形成されている社会の中では、非常に生きるのがつらいのです。
原作小説の著者・高里椎奈さんがこの設定をどこからもってきたのでしょうか?
答は鳥です。
鳥好きな方なら、気が付いた方も多いのではないでしょうか?
鳥の目は紫外線を見ることができるという研究が発表されています。
私たちが見る色彩以上の色が溢れた世界を鳥は見ているのです。
なぜ、広い波長を見る能力を持っているのかといえば、それは捕食動物ゆえ、です。
生き残るために外敵の情報を察知するために鳥は羽と可視範囲の広い目を持つ動物として進化しました。
ここまでくると記事としては完全に脱線しますが、飼っている鳥がいきなり暴れることがあります。飼っている人間は鳥が何に驚いたのかわからないことがあります。
彼らは人間が見る事ができない物を見て、驚いている可能性があるのです。
烏丸花穎も普通の人間が見えない範囲の波長が見えます。
ちなみに名前の「鳥」は鳥そのまま、更に「穎」というのは穀物から茎を除いて穂の状態にしたものという意味があります。
穀物は鳥の餌でもあります。
特殊な目を持った烏丸花穎という名前は、「鳥の目」を持つ人という意味をこめたて付けられたのだと思います。
鳥の目を持った烏丸花穎は日常生活を他の人にはわからない苦労を背負っているのです。
花穎があまり積極的な性格ではなく、引きこもりぎみな傾向にあるのは、見えすぎて疲れるからです。
鳥みたいにパニックになって大騒ぎをできません、なんといっても当主ですから。
非情に気の毒ですーと言うと、知ったかぶってこっち見んな!と言われそうですね(^^;
うちの執事が言うことには結末を原作からネタバレ!
イギリスに留学していた烏丸花穎は、父が突然第26代当主を引退したため、烏丸家第27代当主になるため帰国しました。
素直に帰国したのは、烏丸家には全幅の信頼を置ける執事の鳳がいるからです。
困ったことがあっても鳳が全て問題解決してくれるからです。
ところが!当主を引退した父は鳳も連れて旅にでてしまいました。
父の真一郎も、鳳のいない生活を考えられなかったのでしょう。
というわけで、花穎を待っていたのは、新米執事の衣更月蒼馬でした。
当然、花穎は話が違うと怒りだします。
一方、衣更月蒼馬にとっても鳳に憧れ、鳳からたくさん学びたいと思っていたのに、鳳がいなくなった中で、若干18才のおぼっちゃまに仕える執事になってしまったという不本意さを抱えていました。
かくのごとき主従関係がうまくいくわけがありません。
ギクシャクした当主の花穎と、不機嫌な仏頂面の執事によって、烏丸家の日常がスタートしたのです。
新米当主と新人執事の心元ない体制の烏丸家は、事件が起こります。
大事な食器が紛失という事件が起こります。
使用人の盗みが疑われ、花穎が犯人を捜しだします。
理由を聞いてみれば、盗もうとしたわけではありませんでした。
間違って壊してしまったり、他に気を取られて無意識に私物入れに押し込んでしまったり、良いことではないのですが、悪意があったわけでもないという事件でした。
そこに鳳が現れます。
「対応は当主の考え方次第ですよ」
花穎は、犯人扱いをしないための処置をとりました。
その頃、花穎の部屋で衣更月は呆然としていました。
散らかり放題だった花穎の部屋を鳳があっという間に片づけていたのです。
衣更月は、執事としての自分の姿勢を反省します。
こうして、新米当主と新米執事は少し成長しました。
事件は烏丸家の中ばかりで起こるわけではありません。
上流社会の面倒な付き合いも当主の務めになります。
烏丸家の名前を汚すことのない振る舞いが求められます。
そんな上流社会のパーティでも事件が発生します。
トイレで女性が殴られて倒れてしまったのです。
花穎は犯人を推理し当てました。
犯行でネクタイが汚れたため変えていたのです。
似た柄のネクタイの違いにいち早く気が付いたのは、花穎の目でした。
花穎の目には、他人にはわからない違いでも大きく違って見えるのです。
花穎が出席者に説明すると、被害者の女性も出席者も犯人に気が付いていたというのです。
花穎に犯行をなすりつけたあげく、それを外部に黙っていることで花穎に恩を売ろうとした、というのです。
あまりにも腐った闇を抱えた社会に花穎は吐き気がしました。
帰宅しようとする花穎に声をかけたのは、騒動の最中、中立を保っているように見えた赤目刻弥でした。
罪を花穎に擦り付けることを発案したのは、自分だと赤目刻弥は言ったのです。
「もうちょっと楽しみたかったな」
本心がわからない赤目刻弥を花穎は強烈に意識するようになっていきます。
原作は上流社会で起こる様々な事件を、衣更月にサポートされながら花穎が解決し、徐々に互いを信頼する関係になっていく物語です。
映画のあらすじ、キャストは?
映画のキャストからご紹介しましょう。
烏丸花穎役:永瀬廉
烏丸家27代目当主。18才。
頭がよく、色彩関知能力が高い
衣更月蒼馬役:清原翔
烏丸家の新米執事。仏頂面で執事になり切れていない感あり
赤目刻弥役:神宮寺勇太
大学生で起業家。
赤目家は烏丸家と同じ規模の名家。
刻弥は花穎に強い興味を持っていますが、敵なのか味方なのか心のうちがわからない人物
烏丸真一郎役:吹越満
烏丸家26代目当主。当主を引退して、あちらこちら旅行をしている模様。
鳳役:奥田英二
烏丸家の前執事。真一郎に従って行動しているのですが、神出鬼没の人物。
超一流の執事。
雪倉叶絵役:原日出子
烏丸家の料理人兼ハウスキーパー
雪倉峻役:神尾楓珠
雪倉叶絵の長男。烏丸家のハウスキーパー代理
雪倉美優役:優希美青
雪倉叶絵の長女。烏丸家のハウスキーパー代理
駒地役:矢柴俊博
烏丸家の運転手
桐山役:村上淳
烏丸家の庭師
映画のあらすじ
名門烏丸家の26代目当主が突然引退し、息子の花穎が27代目当主になりました。
当主になるため留学先から帰国すると、頼りにしようとしていた執事の鳳は父に帯同して烏丸家にいませんでした。
烏丸家の新執事に任命された衣更月蒼馬は、いきなりの執事任命にも主人が花穎であることにも不満いっぱいです。
互いに不満だらけのまま、主人と執事の関係になった花穎と衣更月。
彼らの周りで起こる様々な事件に対処しながら、2人は「烏丸家」を守ることに奔走します。
相性最悪だった2人は徐々に互いを信頼するようになっていきますが、大きな事件がおこります!
原作の評判は?
映画の原作「うちの執事の言うことには」シリーズの評判をツイッターからご紹介しましょう。
『うちの執事が言うことには』の2巻目を読んでいるのだけど、これは、主と執事がぎくしゃくしているところから、ちょっとずつ距離を詰めていく話……ということなのかな
原作既読。面白かった〜。結末はわかってるけど早く続きが読みたい。
積ん読していた2年を死ぬほど後悔しているので、みんなは後悔する前に "うちの執事が言うことには" 読んでね。
赤目さん大好き。得体の知れない、敵か味方かわからない妖しい雰囲気が上手く醸し出されていてますます魅力的に。
若き当主と新執事、息の合わない《不本意コンビ》が織りなす上流階級ミステリー(あらすじより)
いや、合ってないように見えて合ってる気がする。相乗効果コンビのこの先が楽しみです。
またひとつ、面白いシリーズ物に出会ってしまった…どうしよう( ´꒳` )
『言うことには』シリーズ一気読み!大満足!9巻かけて、じれったくなるほどジワジワと不本意コンビの仲が縮まっていくのが本当に面白い。
原作、面白いという感想が多いです。
というか、原作が面白くて人気があるから、映画実写化されるので、当然といえば当然の声なのですが(笑)。
まとめ
2019年5月公開の映画「うちの執事の言うことには」。
新米主人と新米執事の相性最悪から始まるストーリーです。
上流社会で起きる様々なミステリーを解決しながら。烏丸花穎は当主として、衣更月蒼馬は執事として成長していきます。
徐々に信頼関係を築いていく2人の関係が見所です。
そして、もう一つの見どころは花穎の色彩感覚です。
普通の人が見えない色が見えることを武器に謎解きをする花穎ですが、見えすぎることは通常の生活では苦痛を伴うものであることを、同じ能力を持つ鳥の行動から、ご紹介してきました。
人並以上の能力があることで有利になることもあるのは事実ですが、苦痛を伴う能力であることを考えると、花穎をうらやましいとは思えないのですよね…。