高校時代、恋していた相手と再会したら、もっと素敵になっていて、そして車椅子生活を送る障がい者になっていました。
募る恋心と反対に車椅子生活の彼に踏み込めないと感じることに自身がモヤモヤする川奈つぐみ。
つぐみの態度を察するように、鮎川樹は
「俺、誰とも恋愛する気ないから、安心して」
と言いました。
つぐみと樹の間には高校時代にはなかった心の壁が出来ていました。
そこから話がスタートして、2人は徐々にその壁を崩していきます。
壁は大きくなったり小さくなったり、取り除くのが簡単な壁ではないけれど、2人はいつしか互いの心に大きく踏み込む存在になっていきました。
障がい者と健常者が恋愛するということを、少女漫画というフィールドで丁寧に描いた作品が「パーフェクトワールド」です。
2018年映画が公開され、2019年ドラマ化も決定しました。ドラマの脚本を担当するのは中谷まゆみさんです。
原作漫画の評判やドラマ化の脚本を担当する中谷まゆみさんのご紹介などをしていきたいと思います。
パーフェクトワールド原作の評判は?
鮎川樹は、脊髄損傷で車椅子生活を送る建築士です。
ケガにあうまで、キラキラと生きることに前向きだった樹は、身体障がい者になっても前向きに生きていますー少なくとも周りにそう見えるようにふるまっています。
しかし、本心は悔しい思いをすることが多いですし、また脊髄損傷で起きる様々な症状で苦しんでいます。
樹の状況は健常者が知らなかった脊髄損傷で生きていくことへの理解を深める内容でもあります。
作者の有賀リエさんは、実際に脊髄損傷して車椅子生活を送っている阿部一雄さんに取材協力を仰ぎ、キャラクターのリアルな葛藤を作品に落とし込んでいます。
そのリアルな葛藤の描写は読者の共感を呼ぶことになっているのです。
原作の評判をツイッターからご紹介します。
8巻まで購入した漫画「パーフェクトワールド」を読破。ラブストーリーという要素だけでなく脊髄損傷者に対する自分の蒙が啓かれた思いで非常に有意義な時間を過ごせました。
パーフェクトワールドのドラマ化…!
これまた原作大好きだからなぁ。大体漫画読んじゃってるから、ドラマ化されると原作が好きーってなってしまう(笑)
人の想いの強さ、
誰かがいるからこそ強くなれる
恋愛とは別の部分が響いた
主観だが、障害のところとかもすごくしっかり書かないとただのキラキララブストーリーにしちゃダメなんだなと思ったからそうなったらいいな
パーフェクトワールド、漫画原作ファンとしては珍しく実写化するべきだと思ってたくらい良い話だから、今度こそドラマでは原作通りの設定でやってくれたら、見たいなぁと思うし皆んなに見てほしいなぁと思う。
2018年映画化では、映画という時間の制約上、原作の設定や展開を変えた作品となりました。
原作ファンには、映画化作品に不完全燃焼に感想を持った方も多かった印象があります。
原作ファンは、ドラマ化に際しては、原作の設定や展開を大事にして欲しいと願う方が多いのです。
映画やドラマ化を反対する方は少ないです、なぜなら、たくさんの人に触れて欲しいと思うテーマだからです。
原作ファンが、設定や展開を大事にして欲しいと思うのは、現実を落とし込んでいる漫画原作の世界観を多くの方に知って欲しいと願うからだと思います。
ドラマ化の評価が分かれるポイントは脚本といっていいかもしれません。
パーフェクトワールドドラマの脚本家は?
ドラマ化で、原作ファンが一番気にしているのは、原作の世界観をしっかりドラマで表現して欲しいということでしょう。
となりますと、脚本担当が気になりますよね。
ドラマ「パーフェクトワールド」の脚本を担当するのは、中谷まゆみさんです。
中谷まゆみさんが脚本を担当した過去の作品を一つご紹介します。
・隣の家族は青く見える(2018年)
数世帯が集まって集合住宅を作り、住むという「コーポラティブハウス」という形があります。
コーポラティブハウスという性質上、住人たちは密接な関係を持つことになりやすい、という特徴があります。
ドラマはコーポラティブハウスで新しく生活を始めた4世帯の人々の物語です。
新しい住居を手に入れた人々は幸せそうに見えます。
しかし、実はそれぞれに悩みを抱えていました。
「妊活にはげむカップル」「事実婚で子供を作らないカップル」「男性カップル」「夫婦と子供4人の標準家庭」-。
幸せそうな4世帯の内情は複雑でした。
主人公の五十嵐大樹・奈々夫婦は、妊活がうまくいかずに夫婦仲が悪化しています。
「事実婚カップル」の川村亮司はバツイチで実の息子を引き取ろうとして、相棒の杉崎ちひろとギクシャクしていました。
「男性カップル」はカミングアウトしたい青木策と広瀬渉が衝突、さらにゲイに理解のない専業主婦の小宮深雪は嫌悪感を押し出してきます。
子どものいる小宮家も問題だらけ、夫は妻に内緒で会社をやめてしまうし、子供たちは進路で母の深雪と激しく対立していました。
互いに見せたくない部分を見せざるを得ないコーポラティブハウスの人々は、互いの垣根を越えてケンカしたり交流したりすることで、価値観の違いを認め始めるようになりました。
そのことが、家族の問題の解決の糸口になっていったのです。
五十嵐夫婦は、夫婦仲の悪化を乗り越え、ついに人工授精にチャレンジします。
受精は成功しますが、流産という結果になってしまいます。
落ち込む妻・奈々に、妊活を休んで2人の生活も大事にしたいと夫・大樹がかけた言葉が奈々の心を救ったのでした。
コーポラティブハウスの住人たちは世帯の壁を乗り越えた仲間となって暮らすようになっていました。
中谷まゆみさんのオリジナル脚本によるドラマ「隣の家族は青く見える」は大きく区切れば社会的弱者のお話です。
妊活に失敗する五十嵐夫婦について、妊娠が成功するラストも考えていたといいます。
中谷さんはインタビューで
だからこそ、子どもがいなくても幸せという、少数派のカップルを描きたくなった。(中略)
とことん向き合い、話し合い、支え合ってきた奈々と大器だからこそ、別の生き方があってもいいと自信を持って提示できるのではないかという結論に至りました。
引用URL:https://news.yahoo.co.jp/byline/kimatafuyu/20180322-00082944/
中谷まゆみさんのインタビューから見えてくるのは、登場人物にとことん寄り添う方であるということです。
「パーフェクトワールド」のドラマ化において、登場人物の描写を丁寧にしてくれる期待を持っていいと感じます。
ドラマのあらすじ
高校時代の同級生だった鮎川樹と川奈つぐみは、高校卒業後、それぞれの道を歩み疎遠になっていました。
しかし、職場の飲み会で数年ぶりに再会しました。
疎遠だった間に樹の身に起こっていたのは、脊髄損傷による車椅子生活になっていたことでした。
再会した樹とつぐみは、樹の障がいという問題を乗り越えて、徐々に親密になっていきます。
しかし、2人に立ちはだかる現実は、バリアフリーな社会という理想からほど遠く、何度も壁にぶつかります。
お互いを思いやるほどのお互いを傷つけてしまうー心が折れそうになりながら、それでも2人は惹かれあい続けるのです。
まとめ
2018年映画が公開され、引き続き2019年ドラマ化される漫画「パーフェクトワールド」。
原作漫画の読者の評判や、ドラマ化の脚本を担当する中谷まゆみさんの過去の作品などをご紹介してきました。
原作ファンの方からたびたび聞こえる「原作漫画の世界観」がドラマ化で引き継がれるのか?という意見に対する答えを、記事から感じ取っていただけたでしょうか?
たくさんの方に見て欲しい作品です!