ドラマ「獣になれない私たち」が開始前、視聴者が想像していたストーリー展開は、恋愛に臆病な男女にムズムズする「逃げ恥」要素ではなかったでしょうか?
脚本が「逃げ恥」の野木亜希子さんでしたし、ドラマの宣伝も「野木亜希子×新垣結衣」のタッグで送ります!とうたっていました。
ところが、いざドラマが開始してみたらば、恋愛要素ないとはいいませんが、現代社会の問題が山積した状態で。新垣結衣演じる深海晶は、生きていくので精いっぱいといった感じです。
恋愛でムズムズする余韻に浸ることもできず、自分の問題がドラマにされたような感覚を視聴者に突きつけてきた恰好です。
ドラマ「獣になれない私たち」で視聴者は何を感じているのでしょうか?
問題山積のドラマの視聴ポイントを今一度整理せねば、視聴者がオーバーフロー起こしてしまいそうです(^^;。
獣になれない私たちのイライラポイントは?
【新垣結衣】
まもなく『獣になれない私たち🍻』第二話の放送が始まります!
今夜はラブが加速しますよ😏#新垣結衣 #ガッキー #獣になれない私たち #けもなれ #水曜22時 #日テレ pic.twitter.com/c2zecVMWrX— レプロARTIST (@lespros_artist) 2018年10月17日
・リアルすぎてイライラする
主人公・深海晶の人生は、息苦しいほど、つらい状況です。
勤め先は晶にとってはブラック企業です。
社長は独断で物事を決め、後処理は全部晶に押し付けます。
晶が他の社員の仕事を割り振りたくても、他の社員は面倒ごとをさらっとかわして晶に仕事を押し付けます。
更に、取引先とのトラブル処理も晶が駆けつけなくちゃ、話が進まない状態です。
視聴者も働いていて水曜日、週の半ばで疲労がたまってきている状態で、ブラック企業で疲弊している晶を見ていると、さらに疲れが覆いかぶさってくる感覚にイライラとぐったりしてしまう状態です。
初回放送の最後、ぶちきれた晶が、社会人としてははみ出たファッションで出社、自分の就業内容の変更を社長に突きつけて、若干、視聴者は留飲がくだりました。
・晶の弱気にイライラ
しかし、服装変えたからって人はころっと変われる物ではありません。
「晶さんしか頼れない」
と泣きつかれ、断り切れない晶です。
戦闘モードの服装という鎧で覆った中身はいつも晶ですから。
有給を勝ち取ったものの、トラブルで電話はガンガンかかってつい応えてしまう晶。
さらに、今の会社に就職する前、派遣で働いていた会社の行事に、恋人の花井が参加するからいっしょに参加して、ひたすら前職場にも気を使う休日って、なんだそれ状態です。
高いヒールを履いてみても、休みをとっても気疲れから脱皮できない晶に、視聴者もどっと疲労するのです。
水曜日の夜に疲労の上積みは、正直しんどいー視聴者は「ドラマで抜けない疲労感」にイラっとするのかもしれません。
それだけ、ドラマ「獣になれない私たち」の世界に視聴者が入り込んでしまっているからこその感想なのが、皮肉ですよね(;▽;)
ガッキーの周りのキャラがムカつく?
・深海晶の恋人にイライラ
深海晶の恋人の花井京谷は面倒な問題を抱えた人物です。
晶が正社員になる前、派遣された会社で晶と花井は出会いました。
花井京谷と仕事を通じて同志のような気分が盛り上がり、正社員の先が決まって派遣終了お疲れ様会の後、2人は恋人としてお互いを認識します。
問題は、花井京谷の元彼女でした。
恋人関係の時同棲していた彼女は恋人関係が破綻していながら、生活できないので困ると駄々をこね花井の家に居座り続けているのです。
晶と恋人になって4年、すなわち晶が正社員になって4年たちますが、押しが弱い花井の家に、いまだに元彼女が居座り続けていることを、4年たってようやく知った晶。
元彼女はとっくに出て行ったと思っていただけに、晶はショックを隠しきれません。
それでも4年付き合って、押しが弱い花井の性格が理解できてしまう晶は、花井にブチ切れることができないで、感情を呑み込んでしまっています。
・花井の元彼女にイライラ
花井を責める前に、元彼女にイラつかねばなりません。
別れて4年たつのに一向に花井の家から出て行かない長門朱里にイライラは募ります。
花井も晶に元彼女をいまだに追いだせないことを知られ、出て行くように迫りますが、長門朱里の言い訳がイラつきます。
花井と付き合う時に仕事も部屋もなくなったのだから、付き合いが破綻したから出ていけと言われても困る!というのが朱里の言い訳です。
あまりに身勝手な言い分なのに花井は、言いくるめられてしまいます。
朱里は寄生している花井から離れる気力もやる気も全くみせませんので、視聴者のイラっとポイントを強く刺激する存在です。
・晶の勤め先にイライラ
人間関係、仕事関係はどこかでつまずくと、そこで大渋滞を引き起こしてしまいがちです。
晶は事態が循環するための潤滑油のような存在感を発揮する性格です。
小さな躓きをフォローしているうちに、会社の社員に「頼りになる存在」と認識されて、小さなことから大きなことまで、困ったら皆
「深海さ~ん、助けて~」
が状態化しているのです。
・会社の社長にイライラ
あまりにも晶をいいように利用する会社に、一度はぶちきれた晶ですが、社長は晶の主張を捻じ曲げて解釈します。
晶の要求は、仕事をきちんと分担することを徹底して欲しいということだったのに、
「仕事の苦労に給料が見合っていないなら、見合う給料を出すため昇進させよう」
これで問題は全て解決したと喜ぶ社長に、晶は反論する気力さえ残ってない模様です。
ちょっと給料は上がりますが、仕事内容は変わらず、さらに昇進で責任が増すだけの未来しか晶には見えないからです。
・晶にイライラ
何でもかんでも背負い込んで限界の晶です。
同情しながら一方で、晶の生き方にも視聴者はイライラしています。
晶が困りごとをしょいこんで疲れているのは、視聴者にとっても「わかる、あるある」な共感ポイントではありますが、晶自身がさらに困りごとを増やす体質に視聴者はツッコミを入れたくなるのです。
晶自身、背負い込むのは嫌だと思ってはいるのですから、困っている人にさらに手を差し出そうとしてしまうクセを何とかしようとする努力はしようよ、と視聴者は思いたくなるのです。
「だめだよ、晶さん…」視聴者は晶に伝えられないもどかしさにイラッとしてしまうのです。
視聴者の意見は?Twitterまとめ
実際、視聴者の意見をツイッターからご紹介します。
いやあ…イラっとした。一番は晶ちゃんに。何で電話出るんだ、何で出社しちゃうんだっ。呉羽ちゃんと恒星くんにちょっとだけスッキリさせてもらって、残り全員にイライラしました第2話。京谷はねー、ロマンチックな感じにウットリしちゃうけどね、駄目だよねあれ。口だけ男。
なんか、前回のあの流れからも結局有給返上しちゃうアキラにイラっとはしたけど、そんな簡単に人が変われないところもわかってるとこが流石
時々お茶碗洗いながら2話を観た。
あー きつ�会社の人達だけでもイラつくのに朱里って元カノが全部人のせいにして、その子を追い出すこともできない京谷にもイライラ。
有休中にかかってきた電話に出るなよ��もっと期待してたのに何話までがんばるかな…
黒木華、妹じゃなくて元カノって。一体なんのめんどうみてるんだよお、しっかりしろ、田中圭!(でも気持ちわかる、ほっとけないのわかる、分かるからこそ見ててなんかイラつく)
まともなのって松田龍平とクレハだけかもwwガッキー含めその周りもみんなヘン。見ててイラつく。
正直「けもなれ」は登場人物にイラついてみてしまう部分があり、それはきっと同族嫌悪みたいなもんだろうなぁと複雑になってしまうのです。
視聴者がドラマ「獣になれない私たち」を見て、イライラするのは、自分の閉塞した状況がドラマで再現されて見せられている気分になるからなのでしょうか?
まとめ
ドラマ「獣になれない私たち」はストーリーも出演俳優さんも、人気実力のある方が揃っている良質の作品であることは、視聴者の皆さんも認めているようです。
だからこそ、あまりにリアルな疲れる展開を週半ばの水曜の夜に視聴するのはきついと感じているという状況です。
いろいろなドラマをみてきましたし、ドラマの感想もネットで読むのが好きですが、ドラマの内容がリアルすぎてイライラするという感想が殺到するドラマ作品はあまり記憶にありません。
視聴者の新しい反応を掘り起こした野木亜希子さんの脚本力は凄い物がありますよね。
同時に、視聴者のイライラを水曜夜の時間帯に上塗りするのは、なんとかできないでしょうか?とも思います。
木曜日の朝、ぐったり出勤する人が気の毒ですし(悩)。