岡田将生さんが主演を務めるドラマ『昭和元禄落語心中』
難しいタイトルですが、要は落語のお話です。
岡田将生さんは”落語の名人・八雲”を演じます。
落語家の物語ですが単純なストーリーではなく、戦争の時代を生き抜いた落語家たちの物語であり、人情、師弟の情愛、恋愛、嫉妬、家族愛など様々な要素が盛り込まれた、濃ゆすぎるヒューマンドラマとなっています。
その物語の中でも、鍵となるのが八雲の親友であった”助六”と助六の妻であった”みよ吉”の死。
そこは原作でも最後まで明かされることのなかった重要なシーンです。
今回は助六とみよ吉の死について、原作からネタバレしていきたいと思います。
※かなり重要なネタバレ含みます!注意!
昭和元禄落語心中の原作あらすじ
「昭和元禄落語心中」は昭和から平成にかけての八代目「八雲」という孤高の落語家を中心にした落語界のお話です。
ストーリーは大きく3部構成で、時系列的には八代目八雲がまだ菊比古と名乗っていた時代のストーリー(ストーリー構成の第2部)が「昭和元禄落語心中」の根幹となっています。
第1部:与太郎放浪編(昭和50年代のお話)
漫才ブームで落語の人気が落ち始めていた時代。
刑務所の慰問で八代目八雲の「死神」という演目を聞いたとある服役囚・強次は、落語の魅力に取りつかれました。
出所したその足で八雲の元に押しかけ、弟子入りを申し出ます。
弟子はとらない八雲は、弟子にするともしないとも言わずに、強次を「与太郎」と呼び家に連れて帰りました。
八雲の家には、八雲が引き取って育てている養女・小夏がいました。
八雲は与太郎を付き人として受け入れます。
家の中のことは小夏にきけと、八雲は与太郎を小夏にほぼ丸投げして、奇妙な三人の生活が始まりました(プラス通いのお手伝い松田さん)。
小夏の父は落語家の助六、母はみよ吉といいます。
助六は八代目八雲と同期入門でしたが、助六もみよ吉も小夏が小さい時に亡くなり、八雲が養女として引き取っていたのです。
小夏は亡き父助六の落語を愛していました。
与太郎は小夏から落語の基礎を学びながら、八雲の付き人をして八雲の落語を聞いてなんとか芸を身に付けようとしていました。
そんな日々の中、与太郎は大失態をしでかし、破門になりかけます。
小夏に付き添われ、許して欲しいと必死で頼む与太郎に、八雲は自身と助六の話をし始めました。
第2部:八雲と助六編(戦前~昭和30年代のお話)
七代目「八雲」に同期入門した菊比古(後の八代目八雲)と初太郎(後の二代目助六)。
真面目に努力する菊比古と相反して、初太郎は天才型の噺家でした。
初太郎に対する憧れと嫉妬に菊比古は悩まされます。
初太郎と菊比古はともに落語家として真打ちに昇進します。
初太郎は二代目助六を襲名し、人気落語家として更に華々しく活躍します。
菊比古は、助六のような天性の才能がないことに苦しみながら、芸者だったみよ吉と出会い、魅かれていくなかで、着実に噺家としてのステップを上がり続けていました。
しかし、菊比古は噺家としての道を極めるために、みよ吉と別れることを決意します。
その頃、噺家として人気絶頂だったものの、品格のない助六は落語界の重鎮たちから疎ましく思われ、遂には破門されてしまいました。
助六は、菊比古に捨てられたみよ吉を連れて落語界から去っていきました。
助六の才能に嫉妬を覚えながら、一方でその実力を充分に知っていた菊比古は、八代目八雲を襲名するのは助六しかいないと説得しに助六の元へ出かけます。
菊比古が会いに行った時、「事件」が起こり助六とみよ吉は死んでしまったのです。
小さかった小夏にとって、両親が菊比古に殺された日でした…。
残された小夏を引き取り(小夏には以降人殺しと言われ続けます)、菊比古は八代目八雲を襲名したのでした。
第3部:助六再び編(バブル~平成初期の話)
八代目八雲に許された与太郎はその後、真打に昇進し、三代目助六を襲名しました。
落語の人気が地に落ちてしまった時代にテレビで活躍して落語界の復活への足掛かりを築き上げていきます。
同時に与太郎は、「家族」を欲し未婚の母になろうとしていた小夏と結婚。
一児の父となりました。
ともに暮らしていた師匠の八代目八雲は病魔に侵されますが、与太郎や小夏、生まれた信之介との生活の中で、奇妙で穏やかな気持ちが八雲を満たしていったのです。
助六との確執に苦しみ落語と心中しようとして弟子をとらずに生きてきた八代目八雲は、ラジオから流れる三代目助六の落語を聞きながら落語界の復活への兆しを感じつつ息をひきとりました。
助六とみよ吉の死の真相をネタバレ
二代目助六とみよ吉の死は、小夏にとっても八代目八雲にとっても長く2人を苦しめる事件でした。
助六を落語界に連れ戻そうと八雲が訪れたとき、助六には借金がありました。
みよ吉はいつまでもフラフラしている初太郎にイライラしていました。
自身の子供である小夏を冷たくあしらうこともありました。
そんな時、ふられた八雲と再会し、みよ吉の心は激しく動揺します。
八雲が助六に落語界に戻ってこないかと話した夜、八雲はみよ吉に呼び出されました。
「いっしょに心中しちゃおうか」
みよ吉は菊比古にそう言ったのです。
胸騒ぎのした助六が2人の元に駆け付けました。
みよ吉に今までまっとうに生きてこなかったことを詫びる助六。
しかし、八雲を前にしたみよ吉は今まで抑えていた感情が爆発してしまい、みよ吉が助六を刺してしまいます。
それを見てしまった小夏は泣き叫びながらみよ吉に突進し、不運にもそのまま窓から突き落としてしまいました。
負傷しながらも助六はみよ吉を助けようとして、みよ吉といっしょに窓から転落して2人は死んでしまったのです。
小夏はショックで自分が母のみよ吉を突き落としたことを忘れてしまいました。
八雲は小夏にその辛い記憶を蘇らせないために「自分がやった」と言い聞かせていたのでした。
ドラマキャストは?
・八代目八雲役:岡田将生
・与太郎役:竜星涼
・小夏役:成海璃子
・みよ吉役:大政絢
・二代目助六役:山崎育三郎
落語の物語なので、当然ドラマにも落語をするシーンが出てきます。
俳優さんたちはもちろん落語の経験なんてないでしょうから、大変だったでしょうね。
岡田将生さんも最初は「生半可な気持ちではできない!」と思っていたそうですが、だんだんと八雲に惹かれていき「この役と心中したい!」とまで思うようになったそうです。
八雲は人を惹きつけるとても魅力のある人ですし、落語も情景が目に浮かぶような繊細な落語をします。
難しい役どころだと思いますが、メキメキ力をつけている俳優・岡田将生さんがどんな風に演じるのか、楽しみですね(*^^*)
二代目助六は山崎育三郎さんが演じます。
二代目助六はかなりだらしない男で、落ち着いていて紳士の八雲とは正反対のキャラクターです。
山崎育三郎さんにとってはあまり演じたことのない新しい役柄になるのではないでしょうか?
力強く、勢いのある落語をするので、この二人の違いを楽しめるのもドラマの見どころですね!
まとめ
昭和元禄落語心中の助六とみよ吉の死について原作からネタバレしました。
衝撃でしたが、でもあのみよ吉ならあり得そうな最期でしたね・・・。
ドラマでは岡田将生さんと山崎育三郎さんの落語も見どころになっています!
2人の落語というのは想像ができないですが、物語と共に楽しみたいですね!