法医学をテーマにしたドラマが、最近多くなってきています。
警察や医学をテーマにしたドラマに安定した視聴者がつく傾向があるからなのでしょう。
その中で、法医学をテーマにしたドラマは警察物でもあり、医学物でもあるドラマです。
法医学が最近、特にドラマになる理由はなぜなのでしょうか?
2019年7月放送開始のドラマ「監察医朝顔」の原作にその理由を見出すことができます。
日本は地震に見舞われることを運命づけられた国です。
阪神淡路大震災・新潟県中越地震・東日本大震災・熊本地震・大阪府北部地震・北海道胆振東部地震などたくさん地震で怖い想いをみんなが経験している国です。
地震が原因で親しい人を失いながら必死に生きている人々がたくさんいます。
監察医の朝顔は震災で母を失いました。
警察官の父と暮らしながら、ある日突然母を失って心に空いた穴とともに生きています。
朝顔が監察医としてご遺体に向き合うのは、ご遺体の最期のメッセージを知り遺族に伝えるためです。
仕事としてご遺体に向きあいながら、震災で失った母のメッセージを朝顔は求め続けています。
朝顔の模索は、大切な人を失った人々の模索と重なります。
ご遺体からわかる生から死へ向かったメッセージを知りたいと思う人が今の時代たくさんいるのではないでしょうか。
それゆえ、法医学をテーマにしたドラマが今の時代に作られる理由なのかもしれません。
監察医朝顔の原作をネタバレ!
ドラマ「監察医朝顔」の原作は同名漫画が原作です。
原作は作話・香川まさひと、作画・木村直巳による漫画で2006年~2012年「漫画サンデー」にて、「漫画サンデー」休刊後は電子書籍で2013年まで連載されました。
監察医の朝顔は、母を地震で失った悲しみの穴を、仕事に打ち込むことで塞ぎ続けて生きています。
亡くなった人が生きている自分に何をして欲しいか考えて行動しようと思った朝顔は仕事に打ち込むことが、母の願いだと考えたのです。
刑事である父とともに遺体を解剖することで、事件解決に監察医として関わりながら、一方のプライベートはというと、恋愛に鈍感な女性でした。
以下ネタバレ含む内容になりますのでご了承ください、紙媒体5巻まで読んでいる方にとってもネタバレの内容になりますので、ご注意ください。
そんな朝顔がやがて、刑事である父とバディを組む桑原真也に恋するようになりました。
桑原は妻を殺された過去を持っていました。
犯人の犬井はまだ逮捕されていません。
桑原は個人的に犬井を追い続けて見張っていました。
桑原も愛する妻を殺害された穴を塞ぐために必死で生きていました。
だから、朝顔から告白されたとき、一旦断ります。
その時、地震が起きて朝顔が咄嗟に桑原にしがみつきました。
朝顔の弱い部分が露呈した時、桑原も自分の本当の気持ちに気が付きました。
朝顔と桑原は結婚しました。
そして、2人は仕事に打ち込む一方で犬井のことを忘れていませんでした。
犬井も同じでした。
犬井は桑原の2度目の妻の朝顔をターゲットにしました。
朝顔を囮にして、犬井と対峙した桑原。
犬井と桑原は同時に拳銃を討ちあい、2人とも死亡しました。
朝顔は悲しみにくれながらも、桑原の子が宿っていることに気が付きました。
朝顔は桑原の子供を出産して母になりました。
原作漫画は面白い?評判は?
ツイッターから感想をいくつかご紹介します。
え!!!監察医朝顔ドラマ化するの!?LINE漫画の連載で面白すぎて単行本買っちゃった私には嬉しさの極みだけど、配役は微妙に納得してない。絵の印象が強すぎて。でもうれしい〜〜
さっそく「監察医 朝顔」読んだ。めっちゃハートフルだし、せつない。ドラマはどんなかんじになるのか楽しみ!
『監察医 朝顔』なかなか難しい主題設定の上に、監察医はいろんなドラマがあるから大変だと思うけど、頑張って欲しいね。
監察医朝顔の奥深さにハマってます。
漫画サンデー 監察医朝顔 この漫画はたまにものすごくはっとさせられるシーンがあるなあ。
実は2012年「漫画サンデー」が休刊になり、その後、電子書籍で連載された作品です。
漫画雑誌不況の中で、作画担当の木村直己さんが電子書籍の形に変えて読者に届け続けた作品です。
電子書籍第6巻以降のストーリーを知らない方も多いのかもしれません。
紙の本では第5巻までしか発行していないのですが、ドラマ化をきっかけに全40話から傑作選として上下2巻として出版される予定です。
是非、電子書籍では30巻まで出版されていますし、傑作選として紙媒体で上下2巻が発行予定ですので、全部読みたい方は電子書籍を読んでみてください。
紙派の方は傑作選発売まで今しばらくお待ちくださいね。
ネタバレした朝顔と桑原のストーリーが、ドラマ化でどこまで描かれるのか、気になります。
朝顔ドラマのあらすじ
原作漫画から設定が変更になっています。
朝顔の母は、東日本大震災で行方不明者のままの状態です。
朝顔は新米法医学者として、ご遺体に向き合う日々を送っていました。
刑事の父は、仕事のかたわら、母を探しに東北に通っています。
朝顔と父・万木平は母を見つけることができるのでしょうか?
父が、朝顔が監察医として管轄する警察署に異動になり、事件をともに解決することになります。
その父のバディである新米刑事・桑原真也は、朝顔の恋人です。
朝顔の父が、異動してきてバディになったのですが、未来の義父とバディを組むことに、やりにくさを感じています。
まとめ
原作漫画の連載が始まったのが2006年、朝顔の母は阪神淡路大震災で亡くなったという設定でした。
2019年のドラマ化に際し、朝顔の母が東日本大震災で行方不明になったままと設定が変更になりました。
行方不明の母が生きていた証しを探すために、父は東北に通い続けています。
日本人は大きな震災を何度も経験して、様々な想いを胸に新しい令和という時代に突入しました。
災害に対して個々人の様々な想いを一言で言い表すことはできませんが、法医学者―ご遺体と向き合う仕事に就いた主人公の視点から震災を見つめることは、意味のあることだと思います。